第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②（宮侑、宮治）

「姫凪…大丈夫やろか…」

「大丈夫やて！
アイツが風邪引くとか
そんなレア現象起こるかいや
叔母さんも様子見に来てくれるんやろ？
なんかあったら連絡くるやろ」

心配するサクラに
明るく笑って
俺も部室に引っ込む

サクラには
ああ言うたけど

「…クソッ！なんやねん…！」

気になるやんけ！

「侑どないしてん？！」

「…忘れモンしたから
取りに帰ってくる！」

すれ違う治に叫んで
学校を飛び出した

向かった先は
宮家やなくて

布施家。