第42章 らしくないけどオマエだけ(照島遊児) 完結
「華さん早く帰りましょ〜」
「え?うん…良いの?知り合いじゃないの?」
「さぁ?知らないッスよ!
そんな事より早く早く〜!」
早くここから逃げないと
嫉妬が爆発しそうで
寂しさが溢れて来そうで
堪らねぇんだ。
華さんの前を歩いて
歪む顔を隠す
「部室借りてイイッスか?
チョット考え事あるんで」
買い出した荷物を片す華さんを
追い出して
部室のベンチの上
膝を抱えて拳を握りしめる
そんな俺のオセンチタイムを
邪魔したのは
「照島!サン!」
憎きアイツ。
って!
「なんで居る!?
つーか!入ってくんな!」
「さっきのあの人
彼女スか!?
もう姉ちゃんの事は
良いンスか!?」
「はぁ!?オマエの姉貴なんか
知るかよ!
オマエこそ姫凪を
ほっぽって何で来てンだよ!」
怒りに任せて噛み付こうとした牙は
「姫凪が俺の姉貴だよ!」
突き立てる前に
ポッキリ折れる