第21章 近過ぎたキミ⑥(及川徹)⚠兄×妹R18⚠
「…ゴメンナサイ…ただ!」
弾かれた手を擦りながら
「私に出来ること…
ないかな…って…思って…」
サクラちゃんが
グッと唇を噛みしめる
普通のオレになら効いたよ、その顔。
でも、ね?
キレた神経に痛みは通じない
「…それはキミが
オレを癒やしたいとか
そういう意味でオッケー?」
「及川さん…私、なんでもする…」
涙目も涙声も
「要らないんだよ
姫凪以外のオンナなんか
キミが何でもするって言うなら…
オレと姫凪の
切れた糸を繋いでくれ。
…な?出来ないだろ?
出来ないなら…消えてくれ…
優しい及川さんは
あの日の疑似デートで終わりだよ」
オレの凍る心を融かせないんだ