第5章 好きのさきにあるものは…?
「うわぁ…潮の匂いがする(笑)」
車の窓から顔を出しながら
そう言って嬉しそうに笑うくるみを
「こら…あんまり顔だしたらあかんて…
危ないから(笑)」
なんてたしなめながら
笑顔で車を走らせてる今…
本当は内心心臓ばっくばくで
笑ってる顔もかなりひきつってることは
言うまでもない…(涙)
海について
二人で砂浜に座ってからも
くるみの話す言葉に
適当に相づちを打ち続ける俺に
「おくらちゃん…
私今何て言ったか聞いてた?」
なんて少しほっぺたを膨らませ
「私のこと嫌い?って聞いたのに…
"うん"だって…
おくらちゃんはここに来るまでも
来てからもずっと
心ここにあらず…だよね?
もういいから…家に帰ろう?」
なんて怒り出す始末で
「ちょっと待って…(汗)!」
そう焦りながら掴んだ手に
くるみはすごく驚いた顔をした…