第3章 ☆Story1☆ 人気者は大変
寮に戻ってきたゆり、ゆりは早速台本を暗記し始めた。
「『お前に何がわかる……私のこの気持ちがお前に分かるのかっ!?』」
_コンコン「ゆりー!」
「『何を偉そうな事を言っている……お前ら人間に指図される筋合いはない!!』」
_コンコン「っゆりちゃーん……いますかー?(汗)」
部屋をノックするある人物の声が聞こえてきたが、
肝心のゆりはセリフ覚えで全く気づいていない。
「は、入りますよー(汗)」_ガチャッ
「『ここで死ねっ!!!』」
「ひえぇぇぇぇっ!!(大汗)
お許しをぉぉぉぉっ!!」
「っ!?
く、くる!?」
やっと気づくゆり、部屋に入ってきたのは来海であった。
「演技リアルすぎるよぉ……(汗)
ほんと殺されるかと思ったじゃん!」
「ご、ごめん……」
「悪役までやっちゃうなんで、ゆりは凄いねー(笑)」
「っからかわないでよ……で、なによ……」
「んー?遊びに来ただけ(笑)」
「っなによそれ……用事があったわけじゃないの?」
「まーねっ☆」
「じゃあ部屋に戻ってよ……私、セリフ覚えしなきゃいけないんだから……」
「せっかく来たのにー……最近積極的にドラマのオファー受けてるよね!
やっぱママさんの影響?」
「っ……ま、まぁ……」
「あれ、シークレットナイトのDVDでしょ?
映画までコンプリートしちゃって(笑)」
「っうるさい!」
(もぉ……セリフ覚え……涙)
「私がここで見てるからセルフ覚え続けなさい(笑)」
「っででけーっ!!」
「やーだよっ!☆」
「っ……(怒)」
「そんな怒んないでよゆりたーん(笑)」
「いい加減帰れーーーっ!!(怒)」
ゆりはあれからしばらく嫌がる来海を必死に部屋から追い出した。
追い出すこと10分……
「はぁ……やっと帰ったよ。
……15分のロス、巻き返さなきゃっ!」
そして再びセリフ覚えを始めるゆりであった。