• テキストサイズ

ドS彼氏の愛しかた

第4章 ドS彼氏、教える




彼は、床の上で仰向けで倒れた──いや、倒された私の身体の上に馬乗りになった。

そして、言葉を続ける。


「……狼みてぇな男どもに、ぱくっと喰われちゃうぜ……?

……こうやって、な……」



愁夜くんはそれだけ言うと、私の上からどき、立ち上がった。


「……っ…………」


ヤバい。


心臓が、ばくばくいってる。


驚きとかもあるけど、やっぱり一番大きいのは……恐怖。



逃げられない体制。

今から何かをされると思ってしまう思考。


──そして、私を見る彼の表情。

優しくもなく、楽しそうでもない。


真剣で、少し冷たさも入ったその表情がとても怖くて。

でも、目をそらすことを許さない瞳が私を捕らえて。


私は何も出来ず、ただ震えていただけだった。




今回は愁夜くんだったし、未遂で終わった。


けど、もしこれが、愁夜くんじゃなく全く知らない人とか、嫌いな人とかだったら……。

それに、愁夜くんだったとしても、本当に襲われていたら……。


「…………っ」



ゾッと寒気が私を襲う。



私は身体を起こした。けど、まだ足が震えていて立ち上がることは出来なかった。

/ 60ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp