第17章 いちのいのち (医者パロ)
「…………」
ついてくる。
「…………」
「…………」
「………あの」
「何だ」
「一人で、戻れますから…」
「その確信はどこから来る」
「ほんとに、大丈…っ!」
唐突に胸に鋭い激痛を感じ、は思わず身体を折った。
忌々しい。なにも今痛くならなくてもいいのに、なんてタイミングがいいんだろう。
何でもないように歩き出そうと思い足を持ち上げたが、全くそれも叶わず足ががくりと折れた。
バージルがそれを見過ごしてくれるわけもなくすぐさま駆け寄り、転びかけたの身体を片手で支える。
そしてそれ見ろと言わんばかりの視線を向けられた。
「歩けるか?」
短い一言に痛い程の優しさ。かろうじて頷くも、足が震えて立てなかった。
浅い呼吸を繰り返す。
苦しい、苦しい、苦しい。
何でこんなに苦しいの。