第3章 第二話「鳳丸」
眩しいほど照らす朝日で目が覚めれば隊主郭の自室で自分が本当に三番隊隊長になったのだと自覚させてくれる。
「ふぅ……」
引き出しの中に入れていた写真を取り出し抱き締める。
「吉良様…今日も頑張ります。」
ふふふと笑い着替えようとするとパタンと襖の閉まる音がし、その方へ向けば吉良が気まずそうに座っていた
「……………………見ました?」
「…………はい」
沈黙を破り襖の間から覗いていた吉良が部屋に入ってくる
「その写真…俳優さんか誰かですか?」
「え?……いま吉良って言ったでしょ!貴方の写真ですよ!!てかなんでいるんですか!!
2人で写っている写真を吉良の目の前に押し付ける
「え?、ええ?あっえっとそろそろ朝の集いの時間なのでお声を掛けさせて頂こうかと……」
「な、なるほど…着替えたら話しますから…………」
顔を抑えやってしまった感を漂わせる
「ぼ、僕出て起きますね」
着替え中
これはヤバイのでは
「あの隊長僕の写真見てニヤニヤしてた、キモイ」
って言われてしまうやつでわ……
なにかそれらしい理由は……
いや、事実吉良様を見てニヤニヤしてた
「お着替えお済みになりました?」
「はい。……えっと、覚えてはいらっしゃいませんか?貴方が1年前霊術院に来た時に詠唱破棄で撃ちまくる生徒を」
「…………!!いた!マスクで顔が余り見えなかったですが剣術も僕には教える事も無いなって思ってました」
「ありがとうございます、それ私です」
「え、ってことは隊長1年で霊術院を卒業されたんですか!?」
「はい、貴方のいる三番隊に入りたくて」
吹っ切れた純白は吉良と向き合うように座り、吉良の手を握る
「私は貴方に一目惚れし、この三番隊に入る事を決意し隊長になりました。」
吉良の手に頬ずりし、ふにゃりと笑う