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【DMC】ダンテ夢短編集

第2章 Red Angry



すると。

「」

その声にはっと顔を上げた。
瞬間、を引き寄せ背中に回す腕と、男の胸ぐらを引き寄せる腕が。

赤いコートを着た大きな背中。
ダンテの手が、を安心させるように手を握って。
彼女の体の震えを感じた瞬間、ダンテはその手を離して男の首を絞め上げた。

「ぐっ…」

うなり声がしても、力を強める一方。
そのまま死んじまえ。

「ふざけた真似してくれるぜ。くそ汚ぇモン、に押し付けてんじゃねえよ…」

声からしてわかる、激しい怒り。身体中を支配する感情が殺気に変わる。その瞳はまさしく悪魔そのもの。

ダンテは絞める力を更に強めると、背中のに一言。

「すぐ戻る」

そしてが何か言う前に男を引きずりながらその場を離れ、姿が消えた。

が耳をすませても、何も聞こえてこない。
静寂。


―――怖い…

またどこからか男が現れそうで、ぎゅっと拳を握る。
やがて戻って来たのはダンテ一人だった。
姿を見つけた瞬間は駆け、不安そうな顔をする彼女をダンテは無言で抱き締めた。

「…悪い……」

絞り出すような声。はダンテの背中に腕を回した。

「大丈夫。びっくり…しただけだから」

「でも、あの野郎…」

途切れる言葉。
はただ、ダンテの体温が有難かった。

優しくて逞しいこの腕はいつでも安心させてくれる。離れると何かが壊れてしまいそうで、必死にしがみついて。

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