第6章 双子王子(弟)
「俺が誰かわかってんのか」
エスト王子のギラッギラした瞳がフローラを睨みつける、フローラも負けじとエストの前へ出た
「わかっていて言ってるの。私の友達を悪いように言うのはやめて、今すぐ、謝って、ミアに」
「……友達」
グリフィスト様は私のあげた壊れた時計をポケットからとりだし、右手でギュッと握った
「友達だぁ…?」
チラリとグリフをみてから、エスト王子は眉にシワを寄せた
「どいつも、こいつも、友達なんて甘い考え持ちやがって……ムカつくんだよ!気色わりぃ」
「っ!!謝ってよ確かにミアは変だけど」
「ゴフォ!!」
確かにとは!?
誰も変とはいってない
「平民の服で男の子のするようなスポーツしてるし」
「ゴフォ!!」
「たまに一人言で死亡フラグがどうのこうの言ってるし」
「(もうやめてください!)」
フローラ、やめてください!私の精神が崩壊します
「ぷっ……」
こっちをみて吹き出したエスト王子。
エスト王子、笑わないで!?
「でも……ミアはこんな私なんかを受け入れてくれたの。」
フローラは胸元をギュッと掴んだ
「フローラ……」
私の胸が暖かくなる。そんなこと、思っていてくれたんだ。
〝ミアがいないとおもしろくないじゃん。
ミアは私を受け入れてくれた大切な親友なんだからさ〟
ここにはいない、親友の言葉が不意に頭を過った。
「エスト王子」
「あぁ?」
そうだよ、私を好きだと言ってくれる人に何を言わせているのよ
「エスト王子、私をバカにしないで」
私はエスト王子をきつく睨んだ
「へぇ……」
ニヤリと笑ったエスト王子。
いきなりエスト王子はグリフィスト様から壊れた時計を奪い取った
「っエスト、お前でもそれは……」
「返してやるよ」
エスト王子は私とフローラを交互にみてから
「こいつらがコレを探し出せたらな」
といい、エスト王子は時計に魔法をかける
時計はエスト王子の手から消えていた
「勝負しようぜ、あのガラクタをこの家内のどこかに隠した。
見つけ出せたら、謝ってやるよ」
「「望むところよ!!」」