第5章 令嬢の大変な1日
「はっ……!!」
「っ、よ、よ、良かった。ミア」
銀髪の美少年が、おろおろした様子でいる。
私が目を覚ましたらのをみてゼネスは胸を撫で下ろした
ここ、私の部屋……。
あれ、ローレンお兄様?
あたりをみまわしてもローレンお兄様はどこにもいなかった……チェイス、いないか
「ローレン義兄様やチェイスには僕が頼んで、外にいてもらっている。いきなり大人数で向かえられたら、驚くだろうと思って」
あら、意外と優しい。
「本当に、心配したんだぞ!!」
それに、こんなに、慌てて、髪が乱れてる姿も初めてだ。
それに、素直だ
「ゼネス……心配おかけしましたわ」
「ま、全くだ!!何を考えているんだ君は……ローレン義兄様からお聞きしたぞ
君が私のために、手の込んだ、スイーツを作ってくれていたと」
僕が"私"になってるし……すごい、心配してくれているのがいたいほど胸に響いた
「本当に、自分勝手でわるかったな。私は君がそのようにしてまで出迎えようとしてくれていたことも知らず、君にこちらに来るタイミングも伝えなくて」
本当に……ゼネスなのかしら。ゼネスが謝るなんて
私はおろおろしているゼネスの頭を撫でてあげた。 ビクッと体を震わせてから、ゼネスはこちらをみて、顔を赤くした
今、私は幸せだと感じた。だって、ゼネスが私を心配してくれて、それでいて、今、ちゃんと、彼と話せているから
「ありがと……ゼネス」
ゼネスは照れ臭そうに、顔を背けた。 そして、チラチラ、私を見てきては赤面して……なんだ、はっきりしろ
「み、未来の花嫁を心配するのは未来の夫である僕の」
「ゼネス、どうしたの。何か言いたいことがあるの?」