第4章 浅葱色の哀愁(2)
「君らの血で赤く染まれば、この白い衣装も鶴らしくなるだろう?」
「死んでよ!」
「闇討ち、暗殺、お手の物!!」
敵の目の前に飛び出した三人が、一気に畳みかけていく
その様子を林の影から伺って時を待つのは俺と陸奥守
「いやはや、やつら威勢がええのぉ」
「物騒なだけでしょ」
さっきは主のいい人選だと思ったけど、この血の気の多さは賢明かと苦笑せざるを得ない
だが彼らは口先だけではなく、次々と敵をなぎ倒していく
返り血で衣を染めて舞うように斬りつける鶴丸さんの姿はまさしく鶴のようだし、小夜の何かにとらわれているかのような戦いぶりは狂気すら感じさせる
そして何より目を引くのはあの温厚な堀川の闘いぶりだ
「悪い、僕も結構邪道でね!」
言葉の通り、堀川の戦い方は剣にとらわれず柔術に近いものも織り交ぜているようで、足技も使われ、逃げ腰の敵にも容赦がない
あまり一般的ではない戦い方だ
「あいつ、思うちょったよりも強いなぁ
見たことのない戦い方をしちゅう」
「うん…そうだね」
でも、邪道なはずなのに、あの姿を認められないわけではない
堀川の強さが、俺にそれを許さなかった
「そら、そろそろやないか?」
「あ…うん」
陸奥守が三人の動きに反応する