第48章 甘えられる人
燭台切「……いいよ。困ってないとは言えないけどそれは嫌で困ってるわけじゃないからね」
「ん……ありが、と」
優しく頭を撫でてあげるとほっとしたように笑う主に安心した。
この子の場合、一度落ち込むと結構引きずるみたいだから早めになんとかした方がいいというのは最近知ったことだ。
落ち込んでいてもそのことを隠したり自分で解決しようとするから僕らもそのことに気づけず終わることもあるから困ったものだね。
「燭台切様……添い寝、は?」
燭台切「諦めてなかったんだね……」
しゅん、としてしまう主にこちらが折れた方が良さそうだと思うと僕は主の隣に寝転んだ。
「お布団の中、入らないの……?」
燭台切「さすがにそこまでは、ね……でも主が眠るまでちゃんとそばにいるからね?」
「ん、わかった…」
不服そうではあるが納得してくれたことにほっとする。
これで布団の中まで引きずり込まれようものなら本気で困っていただろう。
僕とて子供ではないのだから好きな子と一緒に寝るくらい、なんてこと……ないこともないな。
「おやすみなさい…」
燭台切「おやすみ…え、主…?」
目を閉じようとする主の頬を撫でようと手を伸ばすとそれに反応したのかすぐに手を握られると主は納得したように僕の手を握ったまま目を閉じてしまった。
まさか、ずっと狙っていたんじゃ……
「すやぁ…」
燭台切「いや、起きてるよね!?」
手を握られると帰るに帰れない。
これはもう……。
燭台切「諦めるしかないね……」
やっと寝てくれた主を起こすのも可哀想なので僕はこのまま一緒に眠ることにした。