第2章 仲間
「あなたはどこまでも私達を失望させるのね」
「申し訳ございません」
あぁ、またか。
また長ったらしい説教を聞かないといけないのか。
私は母が好きではなかった。
好きに、なれなかった。
自分と同じ年の子は、テストを頑張ったら褒められ一緒に出掛けたり悩みを相談したりするのに私の家ではそれがない。
テストを頑張って結果を残しても足りない。
出掛けるなんて……そんなイベントもないし悩みがあったとしても言えるわけもない。
「ちょっと……聞いてるの!」
「申し訳ございません。お母様」
「何をやってもダメ。何であなたなんて産んだのかしら……せめて笑うくらいはしたらどう?いつもなに考えてるのかわからない顔で」
「申し訳、ございません」
私の成績は決して悪くない。
担任とは違うお優しい先生にはそれなりの難関大学を勧められるほどだ。
医者と弁護士の間に産まれた私は、なぜか決まっていたように、そうじゃないといけないように医学の道に進むよう育てられた。
両親が褒めてくれるよう私は頑張った。
たくさん、たくさん頑張った。
なのに、この人は足りないという。
苦い、苦い苦い苦いにがい……ニガイ。
頑張っても何をしてもこの人は私を認めない。
「あなたなんて……産まなきゃよかった」
本当、苦くてたまらない。