第45章 新しいタイプ
「可愛いなぁ……ほんと」
清光はなにもしていなくたって可愛らしさが滲み出ているのに頬にちゅーなんて可愛すぎだ。
こういう可愛さを見習ってほしいな……色気おばけの人たちに。
「清光は、ほんっとにかわいくていい子だね……自慢の刀だよ」
加州「ほんと?じゃあ夜伽する?」
「しません」
バッサリと断るとしょんぼりとする清光からは先程のような不安定なものを感じられない。
さっきも思ったけどヤンのデレのわりには程度は低い。ちょっと独占欲が強いってだけで後は普通に可愛い。
ただその要素を持っているということは小さいものも大きくなる可能性があるのだ。
不安にさせればさせるほど心が病んでいき……いずれはブラックヤンデレ清光になってしまいかねない。
本気で気を付けよう。
「清光はこの本丸での生活には慣れた?」
加州「んー……それなりに。綺麗だし広いしでいいんだけど……場所が覚えられないんだよねー」
「広いからね……私もお風呂とか行くのに何度も迷ったりして……」
ここにあると信じて進んでいるのに気づけば違うところにいるからね……あれは不思議だ。
「最近じゃご飯食べに行くのに遅れたら迷いました、って理由で許して……もらえてはないから送迎してもらえるようになってね」
審神者の仕事で忙しいときは部屋まで持ってきてもらっているけど、食堂で食べるときは……毎回叱られている。
迷子になるのとやることに夢中で時間を忘れて気づいたときにはみんな食べ終えたあとなので、よく歌仙さんに怒られるのだ……。
加州「そこんところはみんなちゃんとしてるし主だけじゃないかな、遅れて食べるの」
「……てっきりみんな時間を守らずバラバラに食べているのを私が時間通りに来るように叱るのが理想だったりしたのにな……」
加州「叱られてるの主だけだね」
みんな時間厳守だなんて……さすがとしか言えないな。
審神者の私がしっかりしなきゃね。