第43章 店主
「何ここ……広すぎない?」
なかに入ってみるとそこは外からみた店の大きさ以上の広さであった。
詐欺だ。
見た目詐欺だ。
「外は和なのに……なんか洋風って感じが……いや、何だろう。王室と屋敷と中世みたいな……」
壁はレンガだったりタイルだったり……物を置いてる場所によって分けられているように思えたが実際、そんな深い意味は無さそうだなと思えた。
洋だったり和だったり中だったり……落ち着きのない店だ。
「おやおや、みっつーいらっしゃ~い」
カウンターの方から声が聞こえたのでそちらの方をみると……
「ね、ねこみみ……」
「んにゃ?」
カウンターに立っていたのはドピンクの髪色をした、タレ目猫耳お兄さんだった。
キャラが濃い。
燭台切「主、この人は万屋の……主?」
どうしよう。
すごく……ッ…魅力的で我慢できそうにッ……
「やば、この子……獲物を狙う目をしてんじゃん……悪いけど、ガキに興味なっ……」
「猫耳触らしてください!」
燭台切「あー……そういえば動物が好きって言ってたね……」
ドピンクの頭はこの際、個性的でよしとしよう。
ドピンク猫なんて不思議の国のアリスのチェシャ猫にいるし、もしかしたらこの人がチェシャ猫かもしれないし!
「あぁッ……可愛い……可愛いにゃぁ」
「うわ、こいつ危ないじゃん!みっつー連れ帰ってよこんなド変態な子、うちの店には不似合いだ!」
「だ、誰がド変態ですか!昔は清楚なクール少女と言われてたんですよ!」
「クールと清楚の言葉を辞書で調べてから言うこった!君はド変態少女と言うんだよ。人のことを見てハァハァいう少女が清楚なわけあるか!」
「は、ハァハァなんてしてないです!」
燭台切「ま、まあまあ主落ち着いて……」
私は変態ではない、はずなのに……