第42章 訪問
「とりあえず手当て……うん、手入れしようか」
小夜「……ん」
悩む素振りを見せたがこくりと小さく頷くのを見て、私は手を差し出すと今度は驚いたように私を見つめてきた。
怖がられているのは相変わらず、か。
「ごめんね……驚かせちゃって。あっちでしよう?」
手を引っ込めて本丸の方を指差せば外で手入れもできるがここでしてもまた怪我をしてしまう可能性があるので、今はここから離れさせることを優先にした。
二人は不思議そうにこちらを見ているが審神者が刀たちと会話し手入れするのは不思議でもないはずなんだけどな……
小夜「それ……」
「ん、どうしたの……?」
小夜「痛くないの……?」
「……あ、あぁ……結構石もあるから痛くない、とは言えないけど……大丈夫だよ」
裸足で出てしまったことを忘れていた。
その事を小夜ちゃんに指摘されて思い出したのだが、こういうのって気づいた途端に痛みとか感じてくるから不思議……。
小夜ちゃんは両手できゅっと、私の手を握ってくるものだから足の痛みなんて忘れたけども!
「小夜ちゃん、あっちでお姉さんとぽかぽかすることしましょうね?」
小夜「う、うん?」
「待て待て、すっごい犯罪臭がぷんぷんするんやけど」
「自分も同感です」
「失礼な……」
ただ手を握っていい子いい子することのどこに犯罪何て言われる要素があるというのだろうか。
別に小夜ちゃんをペロペロ舐めたりする訳じゃないのに……
「そのうち味見とか言って舐めそうやな」
「舐めませんよ!人をなんだと思ってるんですか」
小夜「舐める、の……?」
「すっごい引いた目で見られてる……な、舐めないよ?私そこまでするほどの変態じゃないから……ほ、本当……本当だから、ね?」
小夜「……」
あ、目逸らされた。
変な誤解を受けてしまったようである……。
あの人は近々地面に頭を出した状態で埋めることにしよう。