第39章 吸血
「……お、落ち着いた……?」
加州「ご、めんッ……ぐすっ」
その後、あの場で永遠と泣かれると誰かに見られる可能性が大どころか抱き合っているのを宗三さんに見られて、私が泣かしたような視線を送られたので宗三さん以外の人に見られまいと自室まで連れてきたのだが……目元を腫らして、もう……なんだろう。
私が泣かしたわけでもないはずなのに罪悪感が半端ない。
「落ち着くまで待ってるから慌てないで……?」
私が原因なのかもしれないが心当たりが……ありすぎてどれかわからない!
噛みつかれるほどのことをしたようなしてないような……心当たりがあるようでないようで、こっちまで不安になってきた。
でも……泣き顔も美しい。
ただ清光を眺めているのも失礼な気がしたので落ち着くまでそっとしておこうと思うと机の方に移動して服を少し引っ張って肩を出すと手鏡で噛まれた肩を見てみると結構強く噛まれたので歯形はもちろん、血が滲んでいた。
とんでもない痛みだったのでこれくらい普通なのかなと思うことにするが……なんだろう。
前にも鏡の前で傷を見て……
加州「……るじ…………主!」
「ふへッ……あ、はいはい主です……」
加州「ごめん……痛かったよね」
考え事をしていたらいつのまにか清光がすぐ近くまできていて驚いてしまった。
前にもって考えたけど……子供の頃だろう。
誰だって子供の頃に怪我とかするし……ね。
「正直に言えば痛かったけど……理由もなしにあんなことする清光じゃないのはわかってる。だから理由があるなら話してくれると嬉しいな」
加州「それは……っ」
「い、嫌なら無理に話さなくても大丈夫だからね!いつか話そうと思えたときに話してくれたらいいし」
なぜあんなことをしたのか気にはなっても話したくない子から無理に話を聞くつもりはない。
刀で刺されなかっただけ、噛みつかれるくらいなんて可愛いものだと思うことにしよう。