第33章 部屋
「妖精さんって……この小さい子のこと……?」
乱「そうそう」
いつからいたのか、小さな……お人形さんみたいな妖精さんが私に向かって敬礼をしてくれた。
とりあえず私も例にならって敬礼をしておく。
こんなに小さい子がお手伝いしてくれるんだ。
この子、なに食べるんだろう。
今はそれよりも……
「顕現、か……」
乱「……あるじさん、試したいの?」
「ち、ちょっとね……初めてすることだから緊張はするんだけど私自身……神を降ろしてないから、お上の方に使えない問題審神者扱いされたら困るから何かをしないと……でも、うまくできなかったらどうしようかな」
乱「……大丈夫だよ!あるじさんならそこはかとなく運がありそうな気がするし、うまくいくよ」
乱ちゃんはそう言ってくれるが自分でもうまくできるかわからないので不安でいっぱいだ。
神じゃなく変なものを降ろしたらどうしよう……え、こわ……
あとで誰かと一緒に資材を運んでもらってから一度だけ試してみようかな。
初鍛刀、私の刀……どうしよう、すごく楽しみ。
強く念じればショタがお姉ちゃん、なんて言って現れたり……
乱「ねぇ……あるじさんはボク達のこと……好きでいてくれる……?」
「え……?どうしたの……?」
乱「ボクたちは……前のあるじの刀、だったから……」
不安そうに私を見つめるその姿に、私は不安にさせてしまったことを申し訳なく思った。
これは私が悪い。
私が乱ちゃんのとなりで初鍛刀のことを考えていたから乱ちゃんはそれに気づいてしまったのだろう。