第26章 落ちました
「あれ……そういえば、まんばくん……ご飯食べたの?」
山姥切「……いや」
「じゃあ、食べてきなさい。働かざるものは……違うから……腹が減っては戦はできぬ、とかいうでしょう。ほら先に自分の食事を優先しなんし」
山姥切「……あんた、会う度に雰囲気が変わるな」
「よく言われる……そんなに変わってるのかな」
私としては通常運転中、という感じなのだが端から見る私は何か変化があるようだ。
雰囲気が変わるってことは……多分悪い意味で言ったわけじゃないのだろう。
いい意味で変われているのなら私だって嬉しくなるが……。
「……お話はまたの機会にして先にご飯を食べてきて?」
山姥切「あんたはどうするんだ」
「私はもうちょっと辺りを見てから行くよ」
山姥切「……わかった。転ばないよう気を付けろ」
「私はドジっ子ではないんだけど……心配してくれるのは嬉しいからいいけど」
そんなに話していないが、まんばちゃんはやっぱり優しい。
綺麗で優しくて……もっとまんばちゃんのこと知りたいな。
きっと、照れ屋なだけでいいところがたくさんあるはずなので、そういうところを知って今後も仲良くしていきたいが……嫌われてるわけじゃなくとも距離をおきたいって考えるタイプならどうしよう。
まあ、それこそなるようになれと考えるしかなさそうだ。
「さて、と……あっちの方にも行っ……にゃああああ!」
くるりと回って次のところへ向かおうと一歩進んだだけで……なくなった。
そう、地面が沈んだ?
いや、地面が……なくなった!