第2章 rain of reposeⅡ
「痛、つ・・・ッ、ア・・、あ・・」
「ん・・・、・・ッ――」
「や・・っ・・・―――」
下半身を強引に摺り寄せられ、なんの愛撫もなしに陰部に飲み込まされるナッシュの怒張。
間を空けずに仕掛けられた正常位でのピストンは、何処か余裕が無いようにも思える。
勿論、そう思ったとしても、それは絶対に口に出してはいけないのであろうということを、名無しは肌で感じていた。
「・・っく・・・」
ぴりぴりとした寝室の空気。
腰を突かれる度に、脳が起きてゆく。
何度も繰り返し続けてくるナッシュの言葉の意味を名無しが知った時には、彼女の両腕はナッシュが犯しやすいよう、既に頭上で拘束されていた。
そして重なる律動の影響で陰部も再びゆるやかに濡れ始めており、顕著だった痛みは、次第に薄らいでいた。
「・・・見て・・、な・・・ッあ・・」
「・・チッ・・、・・・」
「・・・言わない・・から、・・・誰にも・・私が言うわけ・・・ナッシュ――」
「!・・・名無し・・」
「なにもしらない・・・、みてない・・だから・・信じて――?」
「ッ―――・・・」
「・・・ナッシュ・・・?」
これから知っていけばいい・・・。
そう思っても、ナッシュの過去など永久に知れやしないだろうと名無しが感じた瞬間だった。
身体が何度契られ、好みの女に近付いても、氷のように冷たい眼差しと、閉ざした心を融かし、そして開くことなど自分にできるのだろうか。
時間が解決してくれるものなのか・・・それでも、十分な時間を経たのち棄てられてしまえばまた、無意味に終わるかもしれないことに恐怖心を覚えるのは、きっと自然なことだ。
「・・・・」
「ん!・・・ッ、・・え・・、!んん・・・」
「ちゅ・・・」
いやらしくていい・・・ナッシュが囁いてくれる甘い言葉が、こんなにも恋しくなるなど――。
名無しは涙を堪え、必死に口を開け、彼に自らの言葉を本心として聞かせた。