第1章 クロ猫彼氏とワタシ
鉄朗は何故か
そのまま動きを止めてしまった。
「鉄朗?」
「ダメ……なんだろ?」
また、悪い事考えている。
そんな顔してた。
そこにいるのに、
少し動くだけで
全身が痺れるのに……
鉄朗は
何もシてこない。
二人の荒い息遣いだけが
静かに室内に響く。
「てつろ……なんで……?」
「ダメって言ったのは、そっちだろ……? 俺はソレに従ってるだけ……」
チュッと口付ける。
そんな些細な動きでさえ
私に刺激を与えてくれる。
「んっ……、鉄朗、もっと……」
「もっと……なに?」
「いじわる……」
分かってるくせに。
分かってるのに
何もシてくれない……。
そのもどかしさが
私の欲求を更に煽ってくる。