第8章 3年生
「及川さーん!頑張ってー!」
入部届けの整理が終わり体育館へ行くと飛び交う黄色い女子たちの声。
ヘラヘラとその女子たちに向けて手を振る男
ムカつく
バゴーン
とすごい音がして
前に倒れるチャラ男
「岩ちゃんイタイ!」
と後頭部を抑え振り向くそのチャラ男及川
「るせぇ!集中しやがれクソ川!」
ボールを投げつけた張本人が声を上げる
「岩ちゃんそんなんだから女の子にモテないんだよ!」
「もう一発喰らうか?」
といつもの光景を横目にマネージャー業をこなしていく。
にしても、、
「きゃー///及川さーん」
邪魔くさい。
この女子ども。
ギィィ
とドアが開く鈍い音がして振り向くと監督が入ってきた
「集合!」
と及川の掛け声に部員たちは監督の周りに集まる
わたしも仕事の手を止め、その輪の後ろの方に近づく
「ちわーっす」
部員たちは一斉に挨拶する
「及川、綾瀬。一年の自己紹介はすんだか?」
「まだですね。」
と監督の声に反応する。
「及川は選手希望を綾瀬はマネージャー希望を集めて部の説明。今日は溝口くんがいないから真面目にやれよ」
と言い残し去っていく監督