第2章 決勝
その後またブロックに引っかかりワンセット取られてしまう。
ベンチへと戻る選手たち
水分補給をしながら
どう崩すか考える。
「綾瀬。諦めるな。おまえは強い。迷うな。トスを上げろ!頼れチームを!」
ミーティングには普段はあまり入ってこない監督がいう
「はい」
返事をするが隙のない壁をどうやって崩せばいいの?
わたしは最高のセッターなんかじゃない
「かれん。ボールは何度でも頂戴。わたしに」
美沙がわたしの肩に手を置く
力強い味方
だけど、怖いよ
ブロックが
高い壁が
隙間のない壁が
「歌恋さん、何度でも拾います。後ろにはわたしがいます。みなさんは前だけみてください」