第18章 ヨコハマ ギャングスタア パラダヰス
ー或る喫茶店にて
「すみませんでしたッ!」
机を叩いて僕に謝るのは、谷崎潤一郎さん。
「へ?」
僕は、訳が分からない。
太宰さんはニコニコしているだけ。国木田さんは無視してお茶を啜ってるし……
すると、谷崎さんが頭を上げて
「その試験とは云え随分と失礼な事を……」
ああ、その事だったのか。
「ああ。いえ良いんですよ。」
この人、他の人に比べて意外と良い人だ……
僕は、大丈夫ですと両手を上げて小さく横に振る。
すると、さっきまでお茶を啜っていた国木田さんが喋る。
「何を謝ることがある。あれも仕事だ、谷崎。」
すると、僕の隣にいた白雪さんが国木田さんに指をさして
「国木田さんも気障に決まってたよね〜。」
と白雪さんが言うと、国木田さんの隣の太宰が
右手の中指と人差し指を鼻の上に当てて
『独歩吟客』とキメ顔でいう。
「ばっ……違う!」
いや、違ってませんとね。あと太宰さん似てます(笑)
そして、少し沈黙が来る。