第1章 いつか見た星空を君とまた…
優しい、お兄ちゃんのような存在だったあっちゃん。
小学校までは、無邪気に笑いあってた。
中学から苗字で呼んで、いつの間にか先輩も付け加えた。
「鬼怒川先輩」って…
それでもまだ、普通に話したり出来たのに…
あることをきっかけに気まずくなってしまった。
私と先輩が付き合ってるという噂が流れたせいだ。
先輩は、周りの冷やかしを気にせず普通に接してくれたのに、
私は恥ずかしさに耐えられなかった。
仲は良いけど、付き合ってるとかじゃなかったし…
密かに抱いていた恋心を笑われた気もした…
だから…少しずつ、少しずつ私から距離を取ってしまった。