爆乳政治!! 美少女グラビアイドル総理の瀬戸内海戦記☆西海篇
第5章 悪意 中國山地
「昨晩は随分と夜更かしされたようですね」
「ああ、年甲斐もなくやってしまったよ」
「私も学生時代を思い出しますよ」
「おいおい。徹夜麻雀と一緒にするかね、君は」
《福原官邸》と俗に呼ばれる、宇喜多清真の屋敷は元々神戸を支配していた日共の高官が使っていた建屋で、宇喜多が福原にて兵を起こした時に手を入れて以来ずっと彼の屋敷として扱われていた。日共の高官の審美眼を全く理解できなかった宇喜多は接収してまず持ち主の色を全て塗り潰し、真っ新なようにして屋敷を作り変える事に熱中していた。その片手間に始めた播磨三木の戦いで宇喜多の軍に惨敗を喫した日共の軍隊は誠に不憫でならないが、その日共の将軍であった者達は須(すべから)く今宇喜多の軍門にあって老将ながらも歴戦の経験を生かしている。宇喜多はそのものを叩き壊す事をしない男だった。器に価値を見出したのなら、その理を変えて用い続ける男だった。彼はその喩えによくイスタンブール(Istanbul)のビザンチン様式のモスクを挙げているが、それは彼がムスリムだからである。