第3章 先生には言えない
―ガチャ―
私達は家の中に入った。
「……」
さっき、誰かに見られてた気がするけど…
「春野―」
「あっ…ごめんなさい…急に…」
「いや…それより…」
「あっ…さっきの話の答えですね」
「あァ。なんで学校に行ってないんだァ?」
「それは―」
―プルル―
「ッ!!」
「ん? 電話なってるぞォ?」
「……」
「出ないのかァ?」
「ッ!! …ちょっと待ってて下さいね」
「あ、あァ」
―スタ―
―スタ―
「はい…もしもし…」
『あっ、やっと出てくれたね』
「……」
『ねぇ、今さアナタの家に先生が居るでしょぉ?』
「ッ!!」
『喋ったらどうなるかわかってるよね?』
「…わかってるよ…」
『なら良いんだけど。まぁ、どうせ、先生に話したところで信じて貰え無いだろうけどさ(笑)』
「……」
『まぁ。それだけだから、じゃあね』
―プゥ―
―プゥ―
「……」
私は電話を終え、
先生が待つ玄関に急いで戻った。
「電話、誰からだったんだァ?」
「えっ…あっ…!? と、友達からですっ!!」
私は慌てて、そう答えた。
「……」
「ねぇ、先生…」
「ん?」
「もし…」
「……」
「もしも…!!」
「……」
「いえ…やっぱり…何でもないです…」
「本当に何もないのか?」
「はい。何でもないですよ」
「……」
「…学校に行かない理由は"馴染めないから"です…」
「……」
「ただ…それだけです…」
そう言って少し目を伏せた。