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いとし、いとし【短編集】

第12章 私だけが知らない【krk 花宮真】


自分で言うのもあれなんだけど…

私は決して頭の良い人ではない。


頭は良くはないんだけど…

高校受験を、すごく、すごーく頑張って、霧崎第一に無事に合格できた。


お父さんも、お母さんも、

「あの、結依が…」

って、涙を流して喜んでいた。


私も、「私、実は賢いんじゃん‼」

なんて、調子に乗っていた。





…でも、入学して一学期を終えた今、

私はやっぱりバカなんだと言うことを、改めて思い知らされている。



無理して入った学校は、やっぱり私のレベルには合っていなくて…


授業に全然ついて行けなくて、

『補習』
『課題』
『補習』 の毎日。

私のせいで授業が止まる度に、

クラスメートは『また、お前かよ』と呆れているし、

仲良くしてくれていた友人にも見捨てられるレベル…。


今だって、夏休みの教室で一人課題をさせられている。


数学は特に苦手なんだ。

こんな、プリント解ける気がしない。



「もう、無理…。わかんない」


机に突っ伏した。





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