第4章 彩花。
「だそうですよ、主上」
「⋯⋯⋯チッ」
「チッじゃありません。」
上着を剥ぎ取ると面白くないと眉間を寄せていた。千代の水浴びを、やめさせようとしたが、どうにも失敗したようだ。
使えぬ狸めと言えばグダグダ言っていた。
自分で行くと、言えば目を丸くしては?とほうけていた。
「お妃様の仰った事を聞いておられなかったのですか?」
「聞いていた、で、なんだ。あれは俺の物だどうしようが勝手だろう」
「いいえ、貴方の物ではありません。あれは、王のものです。」
霄は睨みをきかせた。
「あの娘が死なぬと言うことは貴方の死や請け負った者の死を彼女が受け続けているのです、根付いてしまえば変わってしまい兼ねません。」
「人になった仙人でもいる様な口調だな」
霄は眉間を寄せ黙り込んだ。
戩華は驚く。冗談のつもりだった。
「だから、申しておるのです。関わる必要は御座いません。お妃様は正しいと。」
「⋯⋯⋯愛せと言う割には愛するなと言う、俺の物だと言いながら王の物だとお前達は言うんだな」
「⋯」
溜息をつき踵を返す。
どちらに?と聞く霄に軽く手を振った。
だから、妃は、愛して欲しいと言わぬ。
きっと、このままなら私が死んでも言わぬのだろう