第3章 彩歌。
そんな噂話を聞きながら千代は王の呼び出しに頭を抱えていた。
連日の呼び出しを無視しているとなんと、叔父上を人質に呼びつけやがったのは旦那様。
思い腰を上げると葵皇毅は泣きそうな顔で感謝してきた。
「失礼します。王様。千代です。そろそろお仕事なので⋯!?なっ!?叔父上!?」
千代は目を疑う。
何故か囚われの姫のように猿轡に両手両足を縛られ椅子に座らされていた。
向かえには何故か剣を持つ劉輝。
旺季の後ろには霄、優雅にいつも通り座る王。
「お前を「うるさい、黙りなさい。」
王の言葉を無視して千代は劉輝の傍に行く。劉輝は視線をそらす。
「劉輝、私が見えますか?」
「⋯も、もちろんだ」
「いいえ、見えてませんね、だって劉輝の視線の先には私はいませんもの」
ぐわっと千代と視線を合わせると、ニッコリ微笑む千代に怯む。そっと、座り込み刃を持ち上げる自分の肩に乗せる。
「こうして見たかったのでしょう?お手伝い致します」
「ち、ちがう、千代!違うっ」
「遠慮は不要ですよ、私が死して悲しむものなどおりませんから、ですが、ね、劉輝。叔父上は沢山おりますので、私で我慢してくださいまし」
そっと頭を撫でるために手を伸ばすと剣の刃は首を掠める。血が流れるが、優しくやさしく頭を出ていた。
ぶわりと、泣き出したのは劉輝。