第9章 番外編2
青ざめていた。
秀麗と再会して早三週間が過ぎた。
そして、ふと「そう言えば母上に会っていないな」と栗花落師に告げると、なんと「劉輝、ごめんよ。お前の父が連れ去ってもう1ヶ月なんだ」と暴露された。「余、余には可愛い蒼姫が居るから」と呟けば真っ青な顔をした栗花落師。またしても「陛下⋯申し訳ございません⋯⋯⋯蒼姫姫は⋯二週間前に旅に」と言われ眩暈がした。
落ち着け、落ち着くんだ。
確かに蒼姫に「兄様!護衛をお借りしたいのですが!」と言われ、そうだ、静蘭を付けようと出してそれっきり。確かに静蘭が帰っては来ていない。
「え、余、余と栗花落師だけなのか!?」
「⋯⋯⋯二週間前から⋯」
「な、なんでもっと早くに教えてくれなかったのだ!!」
「⋯⋯言うに言えなく⋯まさか、護衛に静蘭を付けるとは思わなかったんですよ」
「余、余の可愛い可愛い可愛い可愛いものすごーーーーーーーーく可愛い妹だぞ!付けるに決まってる!寧ろ静蘭しか任せられぬ!」
「⋯⋯はは⋯」
「栗花落師のいじわる!!!」
「私だって悩んで悩んで悩んだ末にだ!」
「今晩から余はどうしたら」
「それは戩華王が劉輝の世話をしていろと仰せつかっておりますから」
「だから問題なのだ!!!」
「さ、男や女を連れ込んでだらしない生活をしていると二人に知られたくないのならわかるよね?劉輝」
泣きべそをかく劉輝の声が響いた。