第6章 信頼
――――――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
再び襲ってきた、地面の揺れ。
「マスター!」
再び強くアヴェンジャーに手を引かれる。
「さっきよりも、大きい……!?」
先ほどの揺れよりも大きい揺れだ。原因など、明白だ。魔術的な干渉に、このエリアが耐えられないためだろう。あまりにも大きな魔力は、その土地に対して、物理的な影響を与えることも少なくない。
先ほどよりもさらに大きな、どす黒い魔法陣が展開され、そこから、シャドウ・サーヴァントもどきが次々と這い出てきた。 ライダー/ブーディカ、 セイバー/ジル・ド・レェ、 バーサーカー/ランスロット、 アサシン/カーミラ、 ランサー/ブラドⅢ世、 アサシン/ジャック・ザ・リッパー……。それだけでは終わらない。シャドウ・サーヴァントもどきが、どす黒い渦から這い出てくる。その総数が30にも達しようかというときになってやっと、魔力の渦はおさまり、揺れもなくなった。
「はは……、ははは…………。」
その異様な光景に、私の口からは、笑いしか漏れなかった。
通常のサーヴァントには及ばない魔力量だから、勝算がある? さっきまでの私は、何を考えていたのだろうか。確かに、1体1体ならば、その魔力量・戦力は通常のサーヴァントには及ばないだろう。しかし、それだって30体近くもいるのならば、全員が私を殺しに来るのならば、話は別だ。いくらアヴェンジャーが強力なサーヴァントであったとしても、この圧倒的な数の差は埋められないだろう。それに、私の魔力にだって、限界がある。このうち半数程度ならば、残っている令呪2画を使えば、或いはアヴェンジャーの宝具で倒せるかもしれない。しかし、それまでだ。この圧倒的な数量差を埋められるだけの手札など、何処にあると言うのか……!