第15章 愛のかたまり
さすがに俺も翔くんも疲れ果て、お風呂は大人しくふたりで湯船に浸かった。
翔くんの胸に背中を預けてゆっくりと入るお風呂はそれだけで至福の時…いつも家で入る時は絶対翔くんがちょっかい出してくるからまったりとすることなんて出来ないんだから。
「たまにはいいな、ゆっくりと入る風呂も」
翔くんが俺の髪を弄りながらそんなことを言った。
「あのねぇ、いつも誰のせいでゆっくり入れないと思ってんの?」
「ん?智のせいでしょ?」
「なんで俺?翔くんが大人しくしてないからゆっくり入れないんでしょ?」
「だって智が可愛いいのが悪いんじゃん…だから智のせいだよ」
そうなのか…俺のせいだったんだ…なんて騙されるか!
「翔くんがエッチなのが悪いんでしょ?俺のせいにしないでよ」
勢いよく振り返り抗議をすると翔くんは笑ってて
「ははっ、騙されなかったか…でもさ、今日ゆっくり入れてるのは智がエッチだったから智のお陰だよね」
またまたさっきまでのことを振り返られ恥ずかしくなった。
なんであんなことしちゃったんだろ…
また前を向き大人しく翔くんの胸にもたれ掛かった。
「智?どうした?」
おとなしくなった俺を後ろから覗き込むように翔くんが見た。
「あんなことしなければよかった…」
「なんで?」
「だって翔くんずっとそうやってからかうんでしょ?」
「ごめん、そう見えた?からかってるんじゃないよ、喜んでるの…あんなに智に求めて貰えるなんてさ、俺智に愛されてんなぁ、って感激しちゃった」