第8章 新旧双黒/そうだ、街コンへ行こう
『王様は芥川くん』
太「王様は誰かなー??」
芥「………僕です」
芥川くんがスッと手を挙げる。
自分で無かった事が死ぬほど悔やまれるが、クールビューティーな芥川くんがどんな命令を下すのか…
めちゃくちゃ興味があるのも事実。
中「芥川、命令は何だよ?」
芥「では…。……太宰さん、僕と…」
太「はいストップ」
芥「なっ…!?」
ニコニコした顔のまま、急ブレーキを掛ける太宰さん。
なんてことを!!!
私「ちょっと! 何で止めるのよ!? 話くらいちゃんと聞いてあげなさいよ!!」
芥「…!」
太「うーん…そうだなぁ…(笑) じゃあちょっと芥川君をお借りしようかな(笑)」
私「ええどうぞごゆっくり!!!」
中「てめぇは何がしたいんだよ…」
何って。応援ですわよ?
だって芥川くんを連れて人影の少ないトイレとかであんなことやこんなことするんでしょ?
するよね??
素晴らしい…!!
私「あ、なんなら中也さんも敦くん持って行っていいですからね、ささ、遠慮なく」
中「おいヨダレ垂れてんぞ」
はっ…、ついつい…じゅるり。
そんな話をしていたら、太宰さんと芥川くんが戻って来た。
え…、早すぎない…?
太「何でそんなにつまらなそうな顔をしてるんだい?(笑)」
私「すいません放っておいて頂けますか。脳内補填するので」
太「いいけどその前に王様の命令を聞いてあげて欲しいな??」
私「命令…?」
芥川くんは落ち着き払った様子で命令を口にしたのだった。
ーーーーー
私「ねぇ、折角の命令なのに、こんなことで良いの?」
芥「構わぬ。僕が望んだ事を言ったまで」
私「ふーん…」
芥川くんが下した命令。
それは、私と一緒に帰ること。
一緒に帰るっていうか、私の家まで送ってくれているんだけど。
チラリと隣を見ると、真っ直ぐ前を向いた、整い過ぎた横顔がある。
まつ毛長いなぁ…。ほんと美人。
芥「………何だ?」
私「え、あ、ごめん。何で私だったんだろうなぁって思って」
芥「それは…。礼を、云おうと…」
私「礼??」
芥「先刻、太宰さんに僕の話を聞いてくれと云った事…」
私「あぁ、あの時…」
芥「…一度しか云わぬ。」
芥「嬉しかった………礼を、云う」
な…に…。この破壊力。
可愛すぎか!?
天使か!? 天使なのか!!?