第9章 叶わない願いと想い

｢それで、"断るつもり"だったけど"断らなかった"理由って本当は何だったんでィ？」

｢ぇ？」

｢あるんだろィ？ 断れなかった"本当の理由"が」

｢...本当に...貴方、何者なの？ どうして...真実をずばりと当てちゃうのよ...？」

｢どうしてだろうねィ？ ずっと、華菜を"見てたから"じゃないですかねィ？」

｢.........」

｢華菜、必ず助けるから...それまでは...」

｢...分かってる...何とかしてみるよ...」

｢で、"本当の理由"は何だったんでィ？」

｢脅されたの...」

｢脅された...？」

｢そう...。あたしには元々、特殊な力があって...戦闘能力が人一倍高くて人の未来が少し視えるの...自分の未来は視えないけど...」

｢それがどう脅しに...？」

｢...あたしには...唯一、"友達"と呼べる人が1人...居たの...」

｢1人？」

｢そう、1人だけ。こんな力がある所為でずっと友達が居なかった...だけど、あの子はそんなこと、気にしなかった...唯一の"友達"だったから...失いたくなかったの...」

｢......」

｢だから..."断れなかった"..."友達"を脅しの道具にされたら..."断れなかった"...」