第4章 2人の距離 4
そしてその後の展開を想像して笑っていると、なんで笑ってんですか?と聞かれた。
あ、見られてた。
え?と言いながらまたちょっと笑って
「いや、これから俺が居なくなった後の楓ちゃんと由梨を想像した。」
隠しきれなくて楽しそうに言ってしまった。
それを見て困った顔を見せる由梨の頭をぽんぽんとする。
その時玄関のインターホンがなった。
急いで玄関に行く由梨に付いていき、そのまま俺行くわ〜。と由梨を追い越し玄関の扉を開けた
「はよ。楓ちゃん。」
いつもの様に普通に挨拶するが既にニヤニヤが止まらない。
だって今の楓ちゃんの顔。
最高に面白い。
楓ちゃんは目を見開き口を少し開けていた。
そして直ぐに威嚇された。
「は?…え?どういうこと?!」
もうニヤニヤじゃ収まらなくて吹き出してしまいとりあえず落ち着いてもらおうと、楓ちゃん落ち着いて。と楓ちゃんの肩をぽんぽんとした。
「とりあえずさ、夜楓ちゃん俺らのメイクでしょ?そん時話すからさ。…あ、マジで時間やばいわ。」
ポケットのケータイがバイブで鳴っている辺り多分それは迎えの連絡。
起きてるかの確認だろう。
由梨に振り返り、行ってきまーす。と手をひらひらさせて言うといつもどおり、行ってらっしゃいと後ろから聞こえた
暫く歩き俺の家と由梨の家の中間くらいの場所に車が停まっていたので乗り込み、はよ。電話ごめん。とマネージャーに心にもない事を言って後ろの席に相葉さんがいたので、はよー。と軽く挨拶して隣に座り込みさっきの出来事を思い出しニヤニヤしていた。
「なんだよ。朝から。何か良いことあったの?」
眠そうに聞く相葉さん
「いやさ。今楓ちゃんと鉢合わせちゃって」
マネージャーに聞こえないようにコソっと言うと眠そうだった顔が一気に覚醒する相葉さん
「ばっ!!」
思わず大きな声を出しそうになる相葉さんの足を軽く蹴ると小さめな声で話し出す
「お前ばか。…どうすんだよ」
焦る相葉さんを他所にゲームを始める俺
もうバレちゃったなら仕方がない。
楓ちゃんは最後の砦のつもりだったが今クリアにしていくしかないなと冷静に考えていた。