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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第12章 二人の宝物 三章


「では、皆の者。今夜は無礼講だ。」
大いに楽しむがいい、と
信長の乾杯の音頭で会場である
安土城大広間はワッと歓声に包まれた。

徳姫のお使い成功祝いと、
サプライズでの凛の懐妊報告。
安土城はどの戦勝祝いより盛り上がった。

「次は、お世継ぎ様だな!」

「いやいや、美しい姫君二人になるぞ。」


「徳姫様は立派にお使いなされたそうだ。」

「うちの悴も見習ってほしいな!」

家臣達も思い思いに酒を飲み、
口々に賛辞を口にする。


大広間の上座では織田軍と
後に合流した信玄達も加わり、武将達が
顔を揃えて酒を酌み交わしていた。

「おい、凛!たくさん食えよ!」
元気なガキは旨い飯からだ!と政宗が
次々に料理を運ぶ。

「ありがとう政宗。」

「徳姫もいっぱい食べろよ?」
今日は頑張ったんだからな、と
秀吉が甲斐甲斐しく世話を焼く。

「うん!ありがとう!」

凛と徳姫の間に座る信長は
満足そうに皆を見渡していた。

「時に謙信。礼を言おう。」
世話になったな、と信長が盃を掲げる。

「‥ふん。お前の為ではない。」
謙信も持っていた盃を小さく掲げた。


「真田殿。本日は、
お助け頂きありがとう御座いました。」
三成が深々と頭を下げる。

「あー、いいって。気にすんな。」
俺の主君の手癖が悪いせいだ、と
幸村がヒラヒラと手を振り

「なあ、しんげ‥。」
隣にいた筈の主君の不在に再び頭を抱えた。

「徳姫、また会えたね。」

「おだんごの人!」

徳姫の横に座る秀吉を押し退けて
ニコニコと微笑んでいる。

「あの馬鹿野郎。」

「‥武田信玄‥覚悟しろ。」

立ち上がる幸村と秀吉を
それぞれの横に座る佐助と三成が
どうどう、と諌める。


「‥はあ。五月蝿いんだけど。」
三成の横に座る家康は、
政宗お手製の家康専用料理を
さらに赤く染めて口に運ぶ。

「家康。今日は大活躍だったそうだな。」
その横で、もはや何を食べているのか
わからない椀の中身を口にする光秀。

「‥別に。何もしてません。」

「ほう?あの家康様が町中走り回ったと
町民達は大層、驚いていたぞ?」

「‥あれは!‥俺の失態に
したくなかっただけです。」
ゴホッと咳込みながら家康が呟くと、

「おや、それは失礼した。」
クククッと光秀が愉しそうに酒を煽った。

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