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【HQ】大好きな人

第2章 スタートライン



先「担任の高橋です。よろしく。担当教科は日本史。よろしく。」

あ、よろしく2回言ったな〜 とか
まだ20代っぽいな〜 とか
わたしたちも自己紹介するのかな〜 とか思ってたら

先「さっそく自己紹介してもらおうかな」



ほら、やっぱり自己紹介だ。

私は自己紹介が大嫌い。嫌いじゃなくて大嫌い。
なにがそんなに嫌かっていうと、まず、あかり夢水っていうのが言いにくい。
正確に言うと、言いにくい気がする。

耳が聞こえないって嘘ついてたどっかの佐◯河内っていう音楽家とか、『或る男』とか書いてた武◯小路とかみたいな、難しい名前ならわかるんだけど…

ただ「あかり夢水です」
と言えばいいのが、ものすごく憂鬱なのである。


ていうか、佐◯河内の「ごうち」と武◯小路の「こうじ」って
発音が「王子」っぽいな〜
わたしの王子様は現れないかな〜

なんて、ごちゃごちゃ考えてたら、いきなり肩をたたかれた

どうやら後ろの席の子の仕業らしいから、振り返って
『なんですか?』
って聞いてみた

?「いや、君の番なんですケド」

…はい、怒られた〜〜

ああ、はずかしい
クラスのみんなこっち見てる

でもいつまでも恥ずかしがってるわけには
いかなくて

『北川第一中学校から来ました
あかり夢水です
ぼーっとしてました、すみません!よろしくお願いします!』


(拍手)

は〜、無事に終わった…



?「月島蛍デス。よろしく。」

(拍手)


先「これで全員ですね。みんなよろしく!
それじゃあ、配布物配ります」


後ろの子、月島くんって言うんだ
そうだ!さっきのお礼言わなきゃ!

『月島くん、さっきはありがとう!
わたし、あかり夢水です!よろしくね!』
月「…別に。ていうか、名前さっきも聞いたから」


…わたし、うまくやっていけるかなあ……
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