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2人の距離

第3章 2人の距離3



「本当は居たらちょっと話しようと思ってただけだったんだけど。」
支度を終えたのか荷物を持って私に近づいてくるニノさん。
今度は逆に私の唇に指を当てた

「まあ、でも。寝てなくても癒されたよ。…色々と。」
フフッと笑うニノさん。


物凄く恥ずかしい

顔を赤くしてる私を見てクフフッと吹き出したニノさん
その後身バレ防止なのかマスクをつけ、行ってきます。と言われた。
素直に行ってらっしゃい。と返すと何かを思い出したかの様にあっ!と言った。

「そいやさー。…俺、呼び方とか別にあまり気にしない方なんだけど。そろそろ名前で呼んでよ」
じゃ、考えといてねー。と手をひらひらさせ言い逃げされた。



夜になり夕食を作っていると思ったより早くニノさんは帰ってきた

「…腹減った〜」
ソファに座りゲームを始めようとするのでもう出来ることを伝えるとキッチンまできて今日のメニューを一通り把握し食器運びを率先して手伝ってくれた。
今日は少しご機嫌だった。




「早かったですね」
食事を済ませ後片付けをしている時にそう言うと、いや〜今日は巻いたね〜。と凄く嬉しそうに言った。

それでご機嫌だったのね。
撮影が巻くのは確かにみんな嬉しいけど、ニノさんは本当に嬉しそうだった。




その日からニノさんは毎日私にキスする様になった。

寝る前に一回。

仕事に行く前に一回。

時間が合うときは必ず二回はキスする。


それ以上は絶対しない。
キスもちょっと触れるだけの軽いもの。

でも私は知っていた。
ニノさんが我慢してる事を。

抱きしめられていると分かってしまう。
男性特有の反応に。

それでも私は何もしてあげれなかった。
もしかしたら怖いと思ってしまうかもしれない。

ニノさんとセックスしながら、ヒロトを思ってしまうかもしれない。


自分の気持ちが凄く怖かった。

それでもニノさんの気持ちに少しでも答えたくてせめて名前くらいと思い、ニノさんから和さんと呼ぶようになった。





「由梨明日って夜からだっけ?」
ある日夜寝る時にそう聞かれ、はい。と答えると和さんは明日久々のオフらしい。
私も夜中に入りなのでほとんど休みみたいなもの。
こんな風に休みが被ることは滅多にないのでちょっと嬉しかったりする

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