第1章 キミと出会う
『あ、ごめんね?勝手に連れてきちゃって…あの、良かったらだけど…一緒にご飯食べない?食べ終わったら家まで送るよ』
その言葉に、男の子は首を横に振った
「…家はないんだ」
『え?』
私は男の子の言葉に目を見開いた
この子…俗にいう家なき子…?
内心でそんな事を思いながら考えた
すると、相手が口を開いた
「…ずっと他の奴の家に住まわしてもらっていたが、捨てられたみたいだな、俺」
そんな事を言いながら悲しそうな顔をする男の子
私はそんな子を放っておけるはずもなく…
いつの間にか男の子を抱きしめていた
『………うちで良ければ、好きなだけ居ていいよ』
「……!」
『私、一人暮らしだし…一人くらいなら養えるから』
その言葉を聞いた男の子は、私の背中にそっと手を回して抱きしめてきた
「…本当に、いいのか…?」
そんな不安そうな声で…