第77章 幼心
俺が身体を洗っている最中、ずっと黙ったままこちらを凝視していたが口を開く。
「伽羅ちゃん達はどこから来たの?」
「………遠く、だな。」
湯船に入り、を向かい合うように膝の上に座らせると、俺の両手を握って、消え入りそうな声でとおく‥と呟いた。
「伽羅ちゃん達は帰っちゃうの?も連れてって。お母さんがいつも泣くの、妹もいつも叔母さんのお家に預けられてて、、一人で…」
だから、と今にも泣き出しそうなを抱き締めた。
「…は今までもこれからもずっと俺達と一緒だ。……でも、それは今のじゃない。」
「今の‥?」
「今、は夢を見てるんだ。小さい頃の夢だ。‥何も知らなかった頃からやり直したいと思ってるんだろ?」
俺の肩にあった小さな手が、きゅっと握られる。