第73章 帷
「長谷部君は、相手が伝えてくれるのを待って、その間に何が出来るか考えるタイプ。僕は反対に聞き出してでも一緒に何が出来るか考えるタイプ。…それだけだ。君は優しいからね。」
「……優しくはない。主が泣くのを見たくないだけだ。」
そういうのを優しいって言うと思うんだけどなぁ…黙っておこう。
帷の正体は解った。後はどうしたらちゃんが苦しまないで居られるか‥
どうしたら不安を取り除けるか、それだけだ。
「僕達でちゃんを幸せにしてあげたいね。」
「…主を幸せにするのは俺だ。お前にはさせないからな。」
ふふ、そう言うと思ったよ。
さぁ、朝が来たらどうしよう?ちゃんを笑わせるには何をしようか。
とにかく今はゆっくり眠って。
「おやすみ、ちゃん。」