第72章 能楽
もう一度唇に触れるだけの口付けを落とす。
「、俺が嫌いか?こんな事して怖いと思うか?」
狡い質問だよな。
「やげん‥」
「が好きだ。子供扱いは嫌なんだ、一人の男として俺を見てくれよ…」
今度は深く深く口付ける。
俺の服を掴んでいた両手がぴくりと震える。
「は……‥」
「っ…‥」
唇、顎、首と優しく噛んでいくと、んっと小さい声を漏らす。
その声だけで、押し込めていた欲が溢れそうになる。
左手で細い腰に手を回し、右手を服の裾から忍ばせ、シャツと一緒に下着を捲り上げれば、ふるっと胸が露になった。