第72章 能楽
「「源氏の重宝、髭切さ。試し斬りで罪人の首を斬ったら、髭までスパッと斬れたからこの名前になったんだ。とは言え、僕にとって名前は割りとどうでもいいんだよね。」」
「「ほら、茶を淹れたぞ。…ん?主か?俺は鶯丸。名前については自分でもよくわからんが、まぁよろしく頼む。」」
「え、本当に?だって短刀ちゃん達、今日まだ1回目…」
放心する大将の背中を叩く。
「どうだい、大将?あいつら、池田屋入ったとこに居た検非違使ぶっ倒して、一発で髭切の旦那を見付けてきたんだ!鶯丸の旦那は、膝丸の旦那が呼んでくれたんだぜ!」
良かったな、と大将を見遣れば、ぎゅうっと抱き付いてきた。