第60章 バレンタイン
ショーケースの床にしゃがみ込んでチョコレートを眺めていた鶴さんを捕まえて、主ちゃんの所に戻る。
「‥鶴丸にはチョコあげないから。」
「悪かった!だから俺にもくれよ、きみからのバレンタインってやつが欲しいんだ!」
「絶対大人しくしててよ?」
主ちゃんが右手を差し出せば、大人しく手を繋いで笑う鶴さん。
この二人は何だかんだ仲が良いんだよね。
炬燵に居た時も僕の服を持って行った時も鶴さんは本当に楽しそうだったけど、いつからそんなに入れ込む様になったんだろう?
主ちゃんをずっと見ていたつもりだったけど、知らない事が結構あるんだね…