第1章 主と一緒
万屋に着いてからどのくらい経っただろうか、ここへ来てからというもの、主はあれでもないこれでもないと難しい顔をしては呟きながら廻っている。
周りを見れば、刀剣男子を連れた審神者がちらほら居るな…
そう言えば粟田口の乱が、お気に入りを連れて行くのが流行りなんだって!とか何とか言っていた気がするが、俺は本当に主のお気に入りなのだろうか?
傍で聞いていた次郎太刀や太郎太刀まで、それならうちは長谷部ね!と冗談を言っていた気がする。
「今日は、たまに買う団子や弁当が目的ではないのか‥?」
他に何かあるのか?そう思っていると、気に入りの物を見付けたのか、嬉しそうに傍へやって来た主が、俺の袖を引いた。