第17章 名を呼べば
厨の片付けもしたし、昼食は歌仙さんに頼んだ。皆にも内番の連絡も済んだし、残るは僕の事か。
嫌われちゃうのかなぁ…
そんな事をまた考えながら歩いていれば、あっという間に主ちゃんの部屋の前に来ていた。
「ちょっと怖いけど‥」
よし。
「主ちゃん、僕だよ。入るね?」
少し開けた襖から主ちゃんが見える。僕の声に気が付いて、手元から顔を上げた主ちゃんと目が合うと、ちょいちょいと手招きをして見せた。
「…お邪魔します。」
主ちゃんは今何を考えてるのかな‥
書類を机でトントンと揃えて端へ避けると、正座をし直してから、僕に向かい側へ座るように指を指した。