第94章 今を生きる
「勿体ぶるなよ、乱!」
「そうそう、白状しないとこのお菓子、もうあげないんだからね!」
お菓子の入った籠を、背中に隠した鯰尾兄さんを見た乱れが、ぷくっと頬を膨らませる。
「言う!言うからボクにもちょうだい!……えっとね、前、お風呂が誰かさんの悪戯で物凄い事になったの覚えてる?」
「あぁ、あれだろ?主の買ってきた入浴剤の玉を全部ぶち込んで、風呂が泥沼化したやつ。」
「‥ぐ、えーっと、何でしたっけー?俺あんまり覚えてないなぁ。はは…」
「…………ずお兄、まさか‥」
「や、やだなぁ、俺知らないって!あ、ほらっ、続き続き!」
皆の視線が鯰尾兄さんに集まる。風呂が泥沼って何だ‥?あまり想像したくないけど、それが何なんだろ??