第94章 今を生きる
「もしかして、和泉守さんが主の旦那なのっ!?」
「はぁ!?」
「え?主さんって誰かと結婚してるの?兼さん知ってた?」
「な……んなっ‥」
あれー?またハズレっぽいなぁ‥本当に誰なんだよぉ。
「…おまえ聞いたのか?あいつに相手は誰だか。つーか、その話はどっから出たんだ?」
「えー?だって、主は優しいし、お菓子くれるし、撫でてくれるから人妻だろ?俺、人妻大好き!」
「は?」
顔を見合わせた二人が難しい顔をしてから俺を見る。な、なんだよぉ‥そんな顔しても怖くないんだぞ!
「えっと…ごめんね?包丁君は、主さんが人妻だと思ってるって事でいいのかな?」
「そうだぞ!人妻は最高なんだぞ!」
「そ、そっかぁ。‥らしいよ、兼さん。よかったね?」
はぁぁ、と深い溜め息を吐きながら和泉守さんがしゃがみ込んだ。